B-Future News 2025年11月号

11月に入り、澄んだ空気とともに、朝夕のひんやりとした空気に季節の深まりを感じるようになりました。色づいた紅葉が街を彩り、秋から冬への移ろいを楽しめる時期となりました。

今月は、先月に引き続き「マシンを最大限に活かす方法」についての後編をお届けいたします。より実践的な内容となっておりますので、ぜひご覧ください。

(ウェブサイト Cleanlink の『Getting the Most Out of Carpet Care』を翻訳、引用しました。) 

前編をまだご覧になっていない方は、ビーフューチャーニュース10月号を先にご覧ください。

===引用ここから===

カーペットケアを最大限に活かす [後半]

どう装飾 (強化)するのか

販売代理店の営業担当者にとって、マシンを売ることはあくまで1つ目の目標にすぎません。次に狙うべき目標は、パーツやアクセサリーを売るアップセルです。(補足:アップセルとは、営業の手法で、顧客が購入しようとしている商品やサービスよりも上位のもの(より高機能・高価格なものを提案して、客単価を上げる販売手法です。)まさに、まだありますよ!という営業手法です。

最近ではトラベルマグ(タンブラー等)や飲み物を持ち歩く人の姿がごく当たり前になりました。その結果、飲み物をこぼした汚れも増えています。つまり、家具の清掃はたまに必要な作業ではなくなってきていて、頻度が上がっています。そこで専用のアタッチメントやハンドツールを使用すれば、カーペットエクストラクターを素早く家具用クリーナーに変身させることができます。あらゆる種類のシミに対応できるため、ビル清掃請負業者にとっても、社内施設管理者にとっても大きな魅力となります。

さらに適切な洗浄剤やケミカルを組み合わせることで、マシンはより一層専門性アップにつながります。例えば、介護施設でよく問題となる尿の臭いの原因酵素を分解する専用の洗浄剤があります。それとハンドツールを使って入居者用のマットレスを清掃すれば、入居者や訪問者にとってより快適で衛生的な居住空間を提供できます。

保育施設やジムでもマット類やその他の柔らかい素材(補足:きっとお昼寝用の布団・コットなど)に染み込んだ汗や体液を清掃するために、これらのツールを活用できます。他のスクラバーでは取り切れない不純物をしっかりと吸い上げることができます。

更に、カーペットエクストラクターを簡単に拡張できるアクセサリーとして、「高圧ウォンド」があります。高圧洗浄の従来の用途はもちろんそのままに、これを追加することで利用者はコンクリート、外壁、その他の固い表面を清掃でき、汚れやカビを簡単に除去できます。しかも、専用の高圧洗浄機を追加するコスト自体を抑えられるのです。

適切な洗浄剤と研修、そして水圧の調整を組み合わせられると清掃チームが対応できる仕事がより幅広くなります。これは販売代理店にとって、マシンのアップセルに繋がる絶好のチャンスです。

例えば、商業用の厨房は高圧ウォンドを使用するのに最適な場所です。正しく使用すれば、蓄積した油脂や汚れを効果的に除去できて危険が作業環境を改善できます。換気システム、ダクト、フードを清掃すれば火災リスクの低減にも役だつでしょう。

トイレで高圧洗浄ウォンドを使用することは、汚染物が存在する可能性のある状況において、非接触方式で表面を衛生的にする清掃のやり方になります。さらに保育施設の遊具、ジムや運動施設のマシンを清掃そして除菌するためにも使用できます。

待ってください、まだありますよ。多くの施設が異常気象の影響を受けている今、排水を助けるアタッチメントやハンドツールを含めないのは、販売業者にとって怠慢と言えるでしょう。

ほとんどの企業は、大規模な洪水の際には専門の洪水対策業者サービスを呼ぶでしょう。しかし、小規模な被害が発生した場合、それは施設内で対処しなければなりません。ある程度の規模の施設であればいつかは水の問題や被害が発生して処理を体験する可能性が高いです。深刻な嵐、単なるシンクのあふ れ、水道管の破裂、空調の故障など、すぐに片付けなければなりません。販売会社は顧客に対して洪水抽出ウォンドや防カビケミカルのような緊急対策を常備しておくことと、使い方について研修を受けているスタッフをもつことが迅速な清掃には不可欠であると強調するべきです。

洪水に立ち向かうには、強力な密閉[シール]とカーペットをできるだけ圧縮してウォンドを通過させるたびに水を吸い出す能力が必要です。販売業者は、腰への負担も軽減できるウォンドを提供するべきです。既存のマシンに取り付けられる良いウォンドがあれば、悪いことが起きた日も少しは楽になります。

最終的には顧客は必要なマシンやアクセサリーを選択することになるので実際に重要なのはケミカル洗剤です。

「これはただのジュースディスペンサーなんです。」とジャスパーは(比ゆ的に)いいます。「販売業者は顧客がもっとジュースを買いに来ることで利益を得るのです。」

リピート購入は、Eコマース(オンラインショップ)の進歩のおかげで使用者にとって簡単になりました。今はオンラインショップにアクセスして、ほしいものを手に入れるためにボタンをクリックするだけで済みます。しかしその便利さには代償があります。購入は簡単になったものの、企業と専門知識とのつながりは得にくくなっています。

「トレーニングを提供することは、販売業者をインターネットとの差別化につなげる要素のひとつです。」とジャスパー氏は言います。「そうなければ、あなたはただの混雑(邪魔者)と価格(お金の無駄)にすぎません。」

ニュージャージー州ラウェイにあるSpruce Industries社の副社長兼最高執行責任者であるダニエル・ジョセフス氏もジャスパー氏の見解に同意しています。「すべての販売業者は、同じマシン、ケミカル、アクセサリーを取扱うことができますが、実際にそれらを使って何をするのかを理解できている人はごくわずかです。」とジョセフス氏はいいます。

マシンやアクセサリー、ケミカルに加えて現場でのトレーニング、研修動画のサブスクリプション、明確でわかりやすい文章(説明書など)を提供することは、顧客のロイヤルティー(忠誠)を構築します。これは先ほどのジュースバーを強化し、顧客を単なるクリック注文以上の理由で再び戻ってこさせる方法のひとつです。

「カーペットケアとファブリック(布張り)ケアは販売会社にとってブラックボックス*です。」とジョセフス氏はいいます。「本当に上手にできて、エンドユーザーに正しいやり方を教えられる人はごくわずかです。できる人はその分野で飛び出て目立ち、大きな利益をあげることができます。残りの私たちはとはいうと、正直なところ、ただ注文を受けて、お客様のカーペットや布張りを台無しにしないことを祈るしかないのです。」===引用ここまで===

*補足: ブラックボックスとは、本来は工学やIT用語で「中身の仕組みがわからないけれど、入力すると結果が出てくるもの」を指すそうです。ここでは、「専門知識がないと扱えない領域」に近い意味です。