B-Future News 2018年5月号
意外と見落とされてしまう場所
清掃と言えば、何をイメージしますか?掃除機やモップ、雑巾、ほうきなどの道具が浮かぶでしょうか。
これらが清掃する場所は床。清掃と言えば床清掃が頭に浮かびますね。
では壁はどうでしょうか?壁の清掃の重要性は忘れられがちです。商業施設などの壁が手垢まみれだと興ざめです。
壁の清掃と清掃従事者に関する興味深い記事を見付けましたのでご紹介いたします。
(ウェブサイトCleanlink 『Seven Steps To Washing Walls』、『In Cleaning People Make All The Difference』を翻訳、引用しました。)
[引用ここから]
壁を洗浄するための7工程
- 表面が何でできているかを判断する。
私たちの例を挙げよう。洗浄可能な塗装が施されたコンクリートの壁を洗うことになっている。しかし『薄い』仕上がりの水由来の塗装は、ダメージを与えずに洗浄することができないかもしれないので要注意だ。ゆえに作業前に必ずテストすること。壁は約12年前に造られたもので、床から150cmより上の壁面には油脂汚れがあり、床から150cmまでの壁面にはヒールマークや傷があるという、複合的な汚れ具合である。 - 最適な清掃溶液を決める。おそらく刺激性が弱い中性の溶液が適当だろう。
- 正しいツールを選ぶ。そのツールとは、Tバー・スウィベル(回転)ハンドルに、洗浄溶液に浸した平らなマイクロファイバー製のモップヘッドを付けたものがよいだろう。汚くなったら洗濯せねばならないので、何枚かモップヘッドを計画的に準備しておこう。
- (狭い場所には)スプレーボトル、もしくはクォート容量のスプレイヤーを使い、壁を下から上の方向に、一度に1区画ずつ湿らせる。
メモ:ドロップクロス(テーブルや床などが汚れないように覆う布)、プラスチック製もしくはその他のカバーで、床や動かせない家具を覆った方がよいケースもある。 - 湿らせた平らなモップをTバーハンドルに取り付けて、上から下の方向に壁を拭いていく。その際、拭いていく各箇所の端と端が重なり合うように注意しながら作業する。
- マイクロスポンジ(細かい目のスポンジ)を使用してヒールマークやその他の汚れを取り除く必要があるかもしれない。塗装にダメージを与えることなく、また、洗いジミを残すことなく最大限の効果を発揮するように、他の洗剤はテストしてから使用すること。
- 場合によってはすすぎや乾燥も必要な場合があるが、その際、筋が残らないように注意すること。洗いジミはできる限り少なくなるように仕上げるべきである。取れなかったシミやマークが残ってしまうことがあるかもしれない。一度テストしたら、ちょっと作業の手を止めて、再塗装をすべき時期に来ているのか否か判断してほしい。
清掃で違いを出すにはいつも清掃を行う人がカギ
清掃業務の外注でよく寄せられる批判の一つに、清掃スタッフがやるべき仕事をやっていない、その結果、仕事や顧客サービスのクオリティが低い、ということが挙げられる。ゆえに自分のすべき仕事ができている従業員は他と差を付けることができる。低価格の清掃サービス業者は、えてしてスタッフの質に気を配っていないことがよくある。清掃業は離職率が高い。また、仕事には技術は必要なく、誰がやっても問題はないという捉えられ方をされることが多い。
しかしその考え方は間違っている。施設サービスプログラムの肝は働いている人である。品質重視の清掃サービス業者は、人の雇い方や、誠実に仕事に従事する人材に長く働き続けてもらう方法を知っている。清掃は必ずしも技術が必要ではないが、一方、施設ごとにその施設独特の課題があり、スタッフがその問題に取り組む必要がある。エンターテインメント関連の場所では、サービス従事者はお客様との交流がある。オフィスではデイポーター(ロビーのメンテナンス、共用部の清掃、トイレ備品補充、ミーティングスペースの準備等、施設メンテナンス業務を提供する従事者)がそのオフィスで働く人たちの要望を聞く責任がある。製造業施設では、高度で特別なトレーニングを行うことが必要だ。
品質重視の施設サービス業者は、雇用段階で上記の話題を提示している。それは、必要条件に合わない人を除外するためである。適任者を雇うことができたら、その人材に働き続けてもらうための給与体系、継続トレーニング、報酬を提示する。一緒に働いている人たちはチームで、自分はその一員なのだと感じることができたなら、その従業員は職場にもっといたい、そう思うだろう。そして、さらに積極性を見せるだろう。例えば、安全上の観点から危険な箇所を見付けた時や、メンテナンス上の問題を発見した時、従業員はチームに報告しようという気持ちをより強く持つだろう。
清掃サービスを外注するというのは、やる気が無く、すぐコロコロ変わる従業員をあなたの施設に置くということではない。肝心なのはスタッフによってサービスの質に違いが出ることを理解している清掃業者と協力することである。
[引用ここまで]