B-Future News 2015年7月号

これからの床材の傾向は?

ビーフューチャーが取り扱うケミカル洗剤メーカーUSフォーミュラテクノロジー社の化学者ヴィンセント・マティーニ氏によれば、今アメリカのコンクリート工事業界は、楽観的な雰囲気に満たされているといいます。というのも、最近アメリカの小売業店舗ではVCT(ビニール合成タイル)の床を除去してコンクリートスラブ(床版)を取り入れる施設が増えているそうです。この情報を裏付けるように、Sanitary Maintenance 2015年6月号(“The Truth About Polished Concrete”)では、高光沢のコンクリートであるポリッシュコンクリートについて取り上げられています。ここにその一部を抜粋します。

===抜粋ここから===

ポリッシュコンクリートの真実

ここ5年のうちに、ポリッシュコンクリートの床の人気が高まっている。多くの新規および既存の施設で、VCT(ビニール合成タイル)の床からポリッシュコンクリートに換えられている。

丈夫で美しく照明の反射も良く、工事の費用を減らし最小限の環境負荷でメンテナンスも簡単であることは、このフロアシステムがすぐに小売業、建設業、技術者に好まれる選択肢となった理由のごく一部に過ぎない。

好まれる床材としてポリッシュコンクリートのニーズが高まるにつれ、この床の日常のメンテナンスのニーズに100%あったフロアケア商品を売る販売業者へのニーズも高まっている。

メンテナンス不要ではない

何年もポリッシュコンクリートは、『メンテナンス不要』のフローリングシステムとして販売されてきた。業界の専bfnews_201507_1門家曰く、それは間違った見解である。

「コンクリートのフロアを一度設置すれば、メンテナンスは床自身がやってくれると信じている人に出くわしたことが、何度もあります。」ある報道機関を通じてクラウディア・レゼル氏はそう述べた。彼女は検査清掃および修復認定機構(IICRC)の標準硬質面部門の副議長であり、テキサス州フレンズウッドに拠点を置くInspections TOO社とフローリング技術協会では社長を務めている。「そう言われても、真実から遠ざかることはできません。他の硬質面と同じく、コンクリートのメンテナンスには、幾つかの要素を考慮した特別な方法が必要であり、これを怠ると失敗することになりうるのです。」

まず初めに高光沢の艶(つや)出しコンクリートフロアを作り出すために、一連の研磨と艶出しの工程が必要である。コンクリートをウェットかもしくはドライで研磨する時には、例えばダイアモンドディスクのような荒い研磨ツールが使われる。そして希望する程度の光沢が出てくるまで、徐々に研磨力が弱いシリーズのダイアモンドパッドで床の研磨と艶出しを行う。施設側は必要とされるメンテナンスと美的レベルに合わせて、サテンからハイ-グロス(高光沢)までの光沢の濃度の中から選ぶことができる。この工程では様々なレベルの研磨、増密度剤やシーラーの塗布、バーニッシングやバフィングが含まれる。特別な機材と道具を持った認定コンクリート業者は、一般的にこの最初の工程を行う。

清掃業者はすぐに入手可能なフロアケア製品を使って、容易に日常メンテナンスを行うことができる。

ポリッシュコンクリートは、ワックスやシーラーが不要であることからわかる通り、VCTと違い比較的メンテナンス頻度が少なくて済む。しかし他の床材と同様に、その輝く外観を保つため、特別な保護工程が必要である。そうシアトルのCleaning Consultants社のビル・グリフィン氏は言う。

ポリッシュコンクリートの光沢レベルは、低光沢から鏡のような反射する仕上がりまで様々だ。ポリッシュコンクリートの日常メンテナンスには、日常のホコリ取りのためのモップ掛けや、表面を摩耗させてしまう汚れや煤(すす)を集めて除去することが含まれる。そうペンシルバニア州ウォーミンスターのPhilip Rosenau社でトレーニング兼持続可能性に関する指導者であるビル・マックガーヴェイ氏は解説する。加えて、中性洗剤を使ったウェットモップ掛けや自動洗浄も、(その施設の広さによるが)必要である。

マックガーヴェイ氏は、酸性またはアルカリ性がきつすぎると、コンクリートの質を悪化させ、フロアの輝きを損ねてしまうから、ポリッシュコンクリートにはpHが中性の洗剤だけを使うように薦めている。また、中性のフロア洗剤は汚れの分子を浮かせるから簡単に汚れを取り除くのに役立つと指摘している。

正しいタイプのフロアパッドを使ってコンクリート表面のダメージを防ぐことも必要だ。ダイアモンドが浸み込んだパッドは機械的に床の光沢を維持する。これらのパッドは合成もしくは自然毛の繊維で出来ており、ダイアモンドの粉、補助的な研磨剤とエポキシ樹脂結束材がスプレーされている。これらのパッドには様々な形とサイズがあり、全てのモデルのバフ機、バーニッシャー、自動スクラバーに合うように出来ている。パッドの特徴に応じて、ウェットでもドライでも使うことができる。

グリフィン氏曰く、「床のもとの艶が続く限りではなく、床そのものの寿命がある限りは、ダイアモンドパッドを使って下さい。床が曇り始めた時には必ずダイアモンドを浸み込ませてあるパッドに再び戻って、どのような種類のマシンを使う場合でもそれを7~10の清掃サイクルの間使います。望む輝きを取り戻したらホワイトパッドに換えて、2か月もしくは6か月、または1年の間、メンテナンスすることです。

汚れの原因とは

  • 酸性の液体が床に塗布してある保護剤を傷つけてしまう。
  • 油が浸み込み、それがシミとなって落ちない。

メンテナンスの頻度の決定方法

床を見て輝きが失われていないか、ひどいスカッフマークが付いていないか確認する。もしあれば、メンテナンスの頻度を増やすことを検討する。

===抜粋ここまで===