B-Future News 2016年7月号
基本に忠実に!
酸性洗剤とアルカリ性洗剤には、『まぜるな危険』の表示が付いていることは周知の事実です。1980年代後半に、酸性とアルカリ性洗剤の混合事故が相次いだことから、日本石鹸洗剤工業会が、1989年に取りまとめた自主規制によって、現在のようなパッケージに目立つ警告表示がなされるようになったそうです。基本的なことですが、例えば新しい現場を担当する場合、前任者がどのような洗剤を使っていたのかを把握せずに作業に取り掛かると、残留していた洗剤が反応してガスが発生してしまうケースがあるそうですので、油断は禁物です。今一度基本を振り返ってみましょう。
以下の記事は、ウェブサイトCleanLink『Tips For Using Cleaning Chemicals Correctly』、『The Wrong Cleaning Chemicals To Use On A Floor』より抜粋しました。
===引用ここから===
洗浄ケミカルを正しく使うコツ
清掃業務においてケミカルの誤用や乱用は、製品の無駄遣いで費用がかさむ原因となるだけではなく、度を超すと重大な事故やけがにつながる恐れがある。あなたの従業員がpHや予想されるケミカル反応についての明確な理解が無ければ、作業する表面を傷つけてしまうだけではなく、場合によっては死につながるガスや溶液を発生させることにもなる。水で溶解できるケミカルのpHの値は0から14である。油分由来の製品の場合、pHはない。なぜなら水で溶解できないからだ。メーカーの指示に従う際に考えるべきコツは以下のとおりである。
- ラベルを読み、ラベルを読んだ後もまた読み返して製品の特性や危険性についてしっかりと理解しましょう。
- SDS(安全データシート)を読みましょう。そうすることでその製品に起因するリスク要因についてより理解する助けになります。
- 軽量カップで量りましょう。というのも、目分量であると製品を無駄遣いしてしまうことになるだけではなく、希釈濃度が強すぎると表面にダメージを及ぼすことになり、弱すぎると正しい洗浄結果が得られないことになります。
- 『水で溶解する』製品は多くの場合、安全に使える唯一の溶剤が水である、ということを忘れてはいけません。あなたが自分のしていることを理解せぬまま、複数の化学物質をランダムに混ぜ合わせてはいけません。
- 水を溶液に注ぎ入れるべきか、もしくは溶液を水に注ぎ入れるべきか学びましょう。別の表面にしぶきが跳ねないように特に留意します。ケミカルを扱う際は必ず保護具を着用します。
- pHがあなたの安全範囲に収まるようにします。つまり、ph7(蒸留水)から、酸性(7より小さい)もしくはアルカリ性(7より大きい)になる場合、pH7から遠ざかるほど腐食性が増すことを忘れてはいけません。
- 強酸性(pH1.5)を使って、強アルカリ(pH13.5)を『中和する』ことは絶対にすべきではないことを忘れてはいけません。なぜなら熱圧力(サーモバリック)反応を起こし得るからです。
床に使われた誤った洗浄ケミカル
合成床の上にフィニッシュを何層も重ね過ぎると、剥離をすることで更なるダメージの原因となることが考えられる。
この床に使われた製品について調査したところ、その製品の製造者の指示する方法に従わず、誤った方法で塗布され、メンテナンスされていたことが分かった。清掃担当者が行っている以下記載の事項を、直ちに止めさせる必要があると断じて言える。
- 日常清掃用の洗浄溶液に『剥離剤を少し』混ぜること。
- 呼吸をする必要がある床に、固形分25%のフロアフィニッシュを塗布すること。
- すすぎをせずに強い消毒剤/殺菌剤を使うこと。
例え僅かな量の剥離剤でも、モップの水の中に毎日混ざっていたら、時間とともに床が軟らかくなってしまい、多くの場合表面の輝きが壊れてしまう原因となってしまう。(これを累積効果という。)もし、意図する作業が床の剥離でないのであれば、剥離剤を使うべきではないことを、清掃担当者に理解してもらう重要性は強調し過ぎても足りないほどである。毎日の清掃はもとより、スクラブ洗浄やリコート工程には、適切な配合の中性床洗剤を使うことを、強くお薦めしたい。
第2のポイントとして、このタイプの床材に25%の固形分のフロアフィニッシュを使うと、製品(=床材)の品質を保つために必須である『呼吸』や排気する力を奪ってしまう。最後に、上記3)で言及したとおり、強い消毒剤/殺菌剤を床に塗布してすすがないことは、メーカーの使用手順に反しており、輝きにダメージを与えるだけである。(その点、少量の剥離剤と類似している。)また床そのものにも深刻なダメージを与えてしまう可能性がある。
===引用ここまで===
各種用途に使える中性洗剤
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