B-Future News 2018年3月号

春はもうすぐ

春の訪れとともに、欧米ではスプリング・クリーニングといって、大掃除をする習慣があるそうです。冬の間に暖房で使用した石炭のすすを払ったのがその由来とのこと。今では様々な暖房器具の選択肢があり、必ずしもすす払いの必要もなく、清掃が随分楽になりました。しかしいずれにせよ、清掃が全く不要なわけではありません。対象物に合わせて効果的な清掃方法は何かを追究する姿勢が大切ですね。

ポリッシュド・コンクリートについて

弊社が取り扱う清掃ケミカルメーカーのUS Formula Technologyの副社長であるVincent Martini氏によれば、最近アメリカの小売業店舗ではVCT(ビニール合成タイル)の床を除去してポリッシュド・コンクリートの床を導入するケースが増えているとのこと。コンクリート工事の業界は楽観的な雰囲気に満たされているようです。しかし、コンクリートの床とは、そもそもどのような外観なのでしょうか?

建物の内装に用いられるコンクリートと言えば、まずはコンクリートの打ちっぱなしの壁を思い浮かべる方も多いでしょう。無機質でクールな外観ですが、温かみに欠けるのであまり採り入れられない素材である、という印象でした。しかし昨今話題となっているポリッシュド・コンクリートは、デザイン性に富みカラフルで高級感があります。なんといってもその美しい光沢が特徴です。Googleで『polished concrete』と入力し画像検索すると、ご覧いただけます。

ポリッシュド・コンクリートの利点に、メンテナンスが不要であることがたびたび挙げられます。しかし本当にそうなのでしょうか?

ウェブサイトCleanlink Newsの記事『Polished Concrete: Low-maintenance Floors, Not No-maintenance』に次のような記載がありましたので訳出の上引用します。

[引用ここから]

他のすべての床材と同様にポリッシュド・コンクリートも、その最高の外観を保つために毎日のメンテナンスが必要である。しかし残念なことに、これらの床はとても丈夫だから何もする必要はなく、ただ水だけでメンテナンスをするように、施設管理者やビルサービス管理者は言われてきた。だが、どのような床面であっても、この助言は全く間違っている。全ての水にはミネラルを含んでいるので、水を単独で使うと、輝く表面を曇らせてしまうのだ。

油脂、ワックスなどを剥がす用途で作られている洗剤は、床の光沢を鈍らせてしまう。清掃業者は可能な限り、モップ掛けの時でも、自動スクラバーであっても、一番中性の洗剤を使用するべきである。またすすぎ不要のものが望ましい。自動スクラバーを使用すると、より広範囲のエリアのポリッシュド・コンクリートの洗浄作業が簡単に行える。しかし犯してしまう最大のミスは、ブラシが重すぎたり、パッドが硬すぎたりすることである。

[引用ここまで]

日常的なメンテナンスに加えて、床面の摩耗状態に応じて、結晶化剤(クリスタライザー)もしくは修復タイプの硬化剤、硬いブラシやダイアモンドパッドも適宜取り入れる必要があります。

ポリッシュド・コンクリートは比較的新しい技術ですので、今後もビーフューチャーでは注目していきたいと思います。

——–

補足:ポリッシュド・コンクリートは、日本ではポリッシュコンクリートとも称されているようです。