B-Future News 2025年9月号
暦の上では秋を迎えましたが、日中はまだまだ暑さの厳しい日が続いております。皆さまにおかれましては、くれぐれもご自愛のうえお過ごしくださいませ。今月は離職防止対策に関しての記事をご紹介します。ご参考になれば幸いです。
(ウェブサイト Cleanlink の『Successful Retention Strategies for Cleaning Managers』を翻訳、引用しました。)
===引用ここから===
清掃管理者の為の人材定着戦略の成功例
スタッフの離職は大きなコストがかかります。採用活動、入社手続き、研修、そして生産性の低下といった直接的なコストに加えて、チームの士気[モラル、意欲、モチベーション]や品質管理、カスタマーサービスといった目に見えにくい間接的な影響も考慮すると、1人の従業員を入れ替えるために、その人の年収の 2倍以上の費用がかかることもあります。
離職による損失を考えると、従業員の定着にお金をかける方が、むしろコストを抑えられます。これは、業界特集の取材でお話をうかがった施設清掃マネージャーの皆さんの共通した見解です。朗報として、こうした定着施策は実際に効果を上げています。「2024年マネジメント調査」によれば、社内[直接雇用]の清掃チームの85%が少なくとも3年間勤務しており、40%は10年以上勤務しています。これは非常に高い数字であり、年間で100%もの離職率に達することもある外部委託の清掃会社と比べると、その差は明らかです。
では、社内[直接雇用]チームの高い定着率の秘訣は何なのでしょうか?専門家の話によると、その鍵は競争力のある給与と福利厚生にあります。社内[直接雇用]のチームに所属することで、高めの初任給や健康保険、有給休暇、退職金制度などが提供されるため、従業員にとって魅力的な環境となっています。こうした待遇は、外部委託の清掃業者では必ずしも提供できるものではありません。
教育機関で働くスタッフには、さらに大きなメリットがあります。たとえば、英語(第二言語)教育、マネジメント研修、GED(アメリカの高卒認定試験)などを、割引または無償で受けられる制度が用意されていることです。また、他の施設でも、メンター制度、職種横断の研修、特別プログラムなどを導入し、清掃や設備管理業務に必要なスキルの向上を図っています。こうした研修の機会は、キャリアアップへの道を開くものであり、専門家たちは、「社内スタッフに明確なキャリアパスを示すことが、モチベーション向上と離職防止につながる」と口を揃えています。
また、継続的な表彰や、昔ながらのピザパーティーのような取り組みも、決して軽視できません。努力や献身を認めて称えることは、世代や言語の壁を越えてスタッフの心に響き、「このチームの一員でいたい」と思える職場文化を育てます。実際に、専門家の話では、こうした「感謝を伝えるランチ会」は、チームビルディング[チーム力向上]に非常に効果的であり、現場のスタッフからも最も好評な取り組みとして挙げられていました。
「2024年マネジメント調査」によると、清掃部門の経営者のうち69%が、定着率を高めるための戦略を導入し、現場スタッフに昇進や成長の機会を提供しています。現在のような人手不足の厳しい労働市場において、残りの31%の企業は、早急に定着戦略を立てるか、離職による高コストに対応できる予算の確保を検討すべきでしょう。
===引用ここまで===