B-Future News 2015年10月号

尿汚れの特性と対処方法

強い尿の臭いを放つ公衆トイレを思い浮かべた時、例外なく不快な感情が沸き起こるでしょう。尿の臭いと汚れに対処する方法と製品選びのコツについて紹介します。（ウェブサイトSanitary Maintenance『Tips For How To Remove Urine Stains And Odors』、『Product Is Key When Cleaning Urine Stains』から抜粋しました。）

===抜粋ここから===

尿のシミと臭いの取り方のコツ

ビル・イーデン氏の顧客である長期療養施設に彼が案内された時、彼は気付いた。男性の入居者のうち何人かが、廊下や部屋で立っておしっこをしたことに。その状況であっても入居者に対する心配や、入居者の世話と施設の管理に責任を負うスタッフからの懸念はあまりなかった。

これがめずらしい出来事でないことは、彼にもわかった。痴呆や失禁に苦しむ年配者が利用する老人ホームや長期療養施設でこの事態は増える傾向にある。

「不快な場所についてではなく、恵まれた場所についての話をしているのです。」イリノイ州ロゼリーにあるJon-Don社のラーニング・ファシリテーター（学習者の学びを支援する専門家）であるイードン氏はそう指摘する。「とても悪いケースになると、（尿汚れの発生に）気付いてさえももらえないのです。」

カーペットから尿のシミを取り除く問題は、老人が居住する施設では避けられない。また子供のデイケア施設でも、幼児がトイレに行くのを忘れてしてしまうことがある。しかし、子供の“アクシデント”が起これば子供はたいてい泣くので、問題に素早く対処できる。

カーペットに付いた尿汚れと戦う時、時間は清掃部にとって最悪の敵となる。もし尿のシミに素早く対応できていたら、簡単な洗剤と尿の中和剤で洗浄できる。もしくは水だけでも大丈夫である。

「水は普遍的な溶液です。」そうイーデン氏は言う。「もし素早く対応できたら、尿を除去した後すすいで簡単な製品を使い対応できるのです。」

しかし尿汚れに対処しないままでいると、そのカーペットのシミを扱うのは少々難しくなってしまう。

尿のシミを取り除く時に鍵になるのは正しい製品選び

清掃業のコンサルタントであるスキップシール氏は、非病原菌のバクテリアと合成洗剤が尿に効くと固く信じている。何年も前にシール氏が衛生用品の会社で働いていた時、彼はオクラホマ州のツルサのホテルに呼ばれたことがあった。キャットショーが開催されていた時、その部屋で、あるオスの猫が病気になったからだ。

「臭いがとてもひどく、エレベーターまでその臭いがするほどでした。」フロリダ州フォートマイヤーズのシール360コンサルティング社のCEOでもあるシール氏はそう振り返る。「そのホテルではカーペットを取り換えるつもりで、カーペットの下のコンクリートをどう処理すればいいのかが知りたかったので、私がそのホテルに呼ばれたのです。」

シール氏は非病原菌のバクテリアと合成洗剤を温かい水に混ぜて、バクテリアの胞子を“目覚めさせ”、部屋の各部分にそれを十分な量塗布した。

「次の日、ホテル側が電話してきました。カーペットのエクストラクト洗浄だけやれば大丈夫だったそうです。全ての臭いと全てのシミは消えたのです。」そうシール氏は言う。

アクシデントの後尿にすぐに気づけば、尿を中性化する過酸化水素由来の洗浄剤をそのシミにスプレーして、シミが広がらないようにすることができる。その後カーペット全体を同じ製品でエクストラクト洗浄してシミを除去することをシール氏は薦めている。使う製品はフィルム（膜）が含まれていない物を選ぶべきだ。なぜならフィルムが含まれていなければ残留物を残さないからだ。

シール氏曰く、「この他、過酸化水素の製品をカーペットに使用する利点は、過去にカーペットに使って堆積してしまった洗剤の残留物を中性化することができる点にあります。そのもう一つの利点は、尿の臭いを取り除くことで、カーペットの柔らかで高級な肌触りを取り戻して色を明るくしてくれることです。」

カーペットの尿汚れを取るための製品を選ぶ上でカギとなることの一つに、その製品が施設の他の場所の清掃にも使えるかどうか、という点だ。もし過酸化水素由来の製品であれば、激しく汚れたトイレのグラウト材の洗浄や、ベッドマットを洗濯する前の予洗いにも使える。

「施設管理者が正しい製品を選んだら、その製品は別の場所でも使うことが出来るのです。」そうシール氏は言う。「尿は有機です。トイレに有機があるとはどういうことでしょうか？つまり有機はトイレで活動できるということなのです。キッチンにも有機があるとはどういうことなのでしょうか？キッチンでも活動できるということなのです。」

過酸化水素由来、もしくは“酸素”洗浄製品の利点は、尿以外の体から出る液体の汚れがつく可能性があるような場所においても、効果的である点である。例えば介護施設、長期医療施設、デイケアセンターや保育園などがその例である。

これらの製品は、主にお年寄りや子供がかかりやすい喘息やその他呼吸器系の疾患を持つ人がいる場所で使用しても安全である。

IICRC^*認証インストラクターであるクレイグ・ジャスパー氏によれば、「酸素系の製品が環境に配慮されていることに間違いありません。そこが優れた点です。低アレルギー性で安全です。」

^* IICRCは、プロ清掃員としての知識の習得と技術を訓練することを通して、業界のレベルを向上させるために16の清掃協会と3人の創始者によってアメリカで1972年に設立された非営利団体。

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