B-Future News 2016年1月号

あけましておめでとうございます

bfnews_201601_2皆様におかれましては、健やかに新春をお迎えのことと存じます。旧年中は一方ならぬ御高配にあずかり誠にありがとうございました。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

QUATって何?

市販の除菌剤や消臭剤のボトルを見ると、成分としてQUAT(クウォット)と記載されている製品があります。QUATとは一体何なのでしょうか?QUATについて取り上げた記事がありましたので、ここに紹介します。(ウェブサイトSanitary Maintenance 『Binding Reduces Quaternary Ammonium Chloride Effectiveness』、『Quat Binding A Bigger Issue In Foodservice Industry』より引用)

===抜粋ここから===

第四級塩化アンモニウムの効果を結合が減らしてしまう

第四級塩化アンモニウム(QUAT)は除菌剤の活性成分で、清掃業界で幅広く使われている。これらの除菌剤はとても人気がある、というのは、細菌、バクテリア、ウィルスに対して効果があり、適切な希釈をすれば比較的毒性や臭いが低いからだ。また長期保存にも向く。

適切に使用すれば、第四級塩化アンモニウム(QUAT)の除菌剤はとても効果がある。しかし、間違った使用の仕方だと、第四級塩化アンモニウム結合(QUAT結合)が起こり、洗浄力が大幅に落ちてしまう。

第四級塩化アンモニウム結合(QUAT結合)は潜在的に清掃に対して負の影響があるので、清掃/衛生業界はこの問題にもっと注意を向けようと努めてはいるが、比較的新しい事項で、清掃/衛生業界でまだ誤解されている問題と言える。

活性成分(第四級塩化アンモニウム(QUAT))が布に引き寄せられ吸収されると第四級塩化アンモニウム結合(QUAT結合)現象が起こる。これが起こる科学のしくみは簡単だ。第四級塩化アンモニウム(QUAT)とは正電荷を持つイオンで、綿やその他自然繊維は負の電気を帯びる。プラスがマイナスを引き寄せるのだ。

結果として、第四級塩化アンモニウム(QUAT)の少なくとも一部は、清掃する表面に残らない。実際には、ある研究報告によれば、溶液が詰められたペール缶の中に綿の布を入れてたった10分だけ浸すと、除菌剤の第四級塩化アンモニウム(QUAT)レベルが50%減少したのだ。つまり綿の布を使って溶液を表面に塗布すると、ラベルに記載してある100万分の1(=ppm)の半分だけしか第四級塩化アンモニウム(QUAT)が含まれないことになってしまう。

bfnews_201601_4「この現象が起こるとすぐに、第四級塩化アンモニウム(QUAT)除菌剤として認可されていない、連邦法違反の状態になったも同然です。」『Infection Prevention for Dummies(誰でもわかる感染予防)』の著者であるJ.ダレル・ヒックス氏は言う。「最悪なのは、その除菌剤を使えば当然殺せるとされる病原菌を殺せなくなってしまうことです。それどころか、除菌剤に対して抵抗力のある微生物が生み出されてしまうかもしれないのです。」

上記のように厄介な問題が示唆されているのにも関わらず、業界の多くの人がまだ第四級塩化アンモニウム結合(QUAT結合)についてわかっていないのが現状だ。

第四級塩化アンモニウム結合(QUAT結合):食品サービス業界ではより大きな問題

第四級塩化アンモニウム結合(QUAT結合)は清掃業に従事する者皆が関心を持つ事柄である。特に食品エリアで一番重要な問題なのかもしれない。医療関連施設ではすでに注目を集めた問題であるが、食品サービス業界において第四級塩化アンモニウム結合(QUAT結合)のことは依然関心を集めている。

業界の製造業者の試算では、50%から80%の食品サービス業者が、お客様を迎えるエリアとバックヤードの清掃に綿のタオルを使用している。

「綿、紙、その他不織布のタオルは最大40%の殺菌剤の溶液を結合してしまうのです。殺菌剤のメーカーの使い方ガイドやFDA(米国食品医薬品局)食品基準、または州ごとの食品基準に基づいて考えると、結果として不適格なレベルまでppmが枯渇してしまうことになるのです。」ノースカロライナ州シャーロットのチコピー(Chicopee)ブランドの親会社であるAVINTV,Inc.社で、南北アメリカ大陸における雑巾(布巾)の製品マーケティングを務める部長のドーン・ヒューストン氏はそう指摘する。「タオルが第四級塩化アンモニウム結合(QUAT結合)すると、殺菌剤の一部が食品の触れる面への塗布に適さなくなってしまいます。加えて衛生規範違反や、レストランにおいて食物に起因する病気が大発生するリスクが増えてしまうのです。」

健康が一番の関心事である業界において、第四級塩化アンモニウム結合(QUAT結合)を真剣に考えなければならない状況を踏まえると、この問題に対して関心を深める必要がある。

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)によれば、毎年アメリカ人6人中1人(約4,800万人)が、汚染された食品を食べて病気になる。加えてCDCの発表によれば、約3,000人が毎年食品由来の病気で亡くなっている。bfnews_201601_5

「病気の発生毎に、施設には最大$75,000の費用負担がかかることもあるのです。」カンザス州オレイサのITWプロブランドで製品部長を務めているタラ・ミラー氏は言う。「ケミカルが適切に使われないと、窓からお金を投げるかのように、清掃業務においてケミカルの無駄遣いとなるのです。」

食品サービス業界では、ケミカルのpH試験を必要とする政府の規制があるが、そのことは直接、第四級塩化アンモニウム結合(QUAT結合)に実際的な影響を及ぼさない。

ミラー氏曰く、「ケミカルのpHテストをすることと、第四級塩化アンモニウム(QUAT)の活性成分の有効なppmをテストすることは、まるで2匹の全く違う動物のようなものなのです。これらのテストは2つの異なる特性に対して行うものです。」

ppmが問題のあるレベルの時、ある結果を伴う。

「多くの州では、殺菌剤のppmの値が低すぎると、軽微な違反行為とされます。また幾つかの州では、保健衛生調査で最大7ポイントを喪失してしまう重大な違反行為とされます。この場合、検査官による追跡訪問を受ける必要があります。」そうヒューストン氏は言う。
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レストラン、カフェテリア、または休憩室での(清掃)作業者は、(第四級塩化アンモニウム(QUAT)入りの除菌剤を)施設内の他の場所で使った際に、第四級塩化アンモニウム結合(QUAT結合)を起こさせないように、同じ方針と手順に従うべきである。第四級塩化アンモニウム(QUAT)を含まない製品を選ぶか、マイクロファイバーの布、もしくはマイクロデニールの布に換えることが大切である。

===抜粋ここまで===

ビーフューチャーが取り扱うケミカル洗剤メーカーのUSフォーミュラテクノロジー社では、主に次のような理由により、QUATパワーのみを主力にした商品は取り扱っておりません。

  • QUATは他の成分と一緒に作用させることが難しく、不活性になりやすい欠点がある。
  • QUATは、香料、染料、またマイナス電気を帯びた洗剤(洗剤の最大のグループ)を含む分子を破壊してしまう。
  • QUATは(電荷を持たない)非イオン洗剤にミセル(房)を形成し、これがQUATから分離しないとQUATが機能しなくなる。水を加えるとミセルを壊してQUATが機能するようになる。(よって水での希釈が必須となり、床の状態に応じた希釈の調節が困難になる。)

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