B-Future News 2023年1月号

恭賀新年

旧年中は格別のご高配を賜り心より感謝申し上げます。年も改まり、社員一同これまで以上の努力をもってお客様のご要望にお応えしてまいります。本年も変わらぬご愛顧のほど何卒よろしくお願い申し上げます。                         

2023年元旦

今年はG7サミットが広島で行われます。開催国である日本では、G7の使命とされるSDGsの達成とそれに向けた企業の取り組みが一層重視されることになることでしょう。ビルメンテナンス業界でも健康と環境へ配慮が更に求められるなかで、私たちはこの流れに沿った戦略を真剣に練る必要がありそうです。

さて、ビルメンテナンスの販売業者がどのように環境配慮型へ移行するべきかについての興味深い記事がありましたのでご紹介します。

(ビルサービス業情報誌Sanitary Maintenance magazineより『How to GO GREEN』を翻訳、引用しました。) 

 

 ===引用ここから===

GO GREEN(グリーン化)を行う方法

販売業者が、環境に配慮した持続可能なフロアケア・プログラムを推進するためのヒント

フロアメンテナンスは、施設の清掃予算の中で最も大きなものの一つです。また、環境への悪影響も頻繁に指摘されています。しかし、より清潔で環境に優しい方法を求める傾向が続いているため、エンドユーザーは持続可能性の取り組みを進めるためにフロアメンテナンスを見直しています。

化学物質を一切使わず、水に頼るのは正しい方向への一歩だという考え方もあります。化学物質の重要な役割についてお客様を教育して化学物質がサステナビリティを妨げるという俗説を払拭するは販売業者の責務です。そのためには基本に立ち返って床清掃の手順における化学物質と水の相互関係を説明する必要があるでしょう。

フューチャー・フロアテクノロジー社のスタン・ヒューリン氏は、「私たちは、水をより濡れた状態にする洗浄化学を発明しました。洗浄剤や中性洗剤が水の表面張力を壊すことで、汚れた床に浸透し、落としやすくなります。」と言います。

以下の簡単な視覚的テストで、この点を理解し、エンドユーザーにも理解してもらうことができます。段ボール紙に水滴を1滴落とします。すると水は紙の上で玉状になります。「その水滴に中性洗剤を一滴垂らすと、水滴はすぐに段ボール紙に浸透します。これは水滴内の界面活性剤の効果です。」インペリアルデイド社のジム・レティ―氏は、「これは、水をより湿れた状態にするデモンストレーションです」と説明します。

また、水は化学物質を含まないため、汚れが入り込んでいる床の隅々まで水が浸透しません。

「水は洗浄剤として、あまり良いものではありません。自動洗浄機で水を使用すると、ほこりや乾燥した粒子を取り除くことはできますが、中に入り込んでしまったゴミや酷い土汚れは取り除けないでしょう。」とヒューリン氏は言います。

実際、化学物質を使用せずに清掃すると、汚れを除去せず汚れを押し広げてしまうことがあります。自動洗浄機などで水だけを使用する意味があるのは、シミやこぼれの除去と、すすぎの際だけだといいます。

◆中性を保つ

床洗浄での化学物質の必要性を確認した販売業者は、グリーン・クリーニング・プログラムのどこに、どのように化学物質を使用するべきかをお客様に説明するこができるようになります。

日常の床掃除には、床材メーカーが認可した中性洗剤を使用することを推奨します。また、汚れの種類やレベルによって製品を決めると良いでしょう。

レティ―氏は、一般的な通行量の場所では、できるだけ中性(pH7)に近い状態を保つことを勧めています。「汚れのアルカリ度や酸度によって、必要な製品のpHが決まります。また、医療施設と産業施設では異なります。」とレティ氏は説明します。

酷い汚れの場合は、pH値が8.2程度のアルカリ性の万能洗剤や汎用洗剤を使用します。日常清掃には酸性(pH 0~6)の洗剤は不要です。

日常清掃や定期清掃に自動洗浄機を使用する場合、中性洗剤や汎用洗剤を使用するようお客様に注意を促す必要があります。

もし、お客様が高いpH値の剥離剤や脱脂剤を使用して、そのまま日常清掃にも使用した場合、床にダメージを与える可能性があります。また、機械の内部部品にダメージを与える可能性もあります。ですので、剥離剤や脱脂剤を使わなければならない時は、バケツやモップで塗布するように訓練しておくべきです。」とヒューリン氏は警告しています。

販売業者は、汚水を回収した後、床を水ですすぐことの重要性も強調する必要があります。

「多くの人が自動洗浄機を使った洗浄作業ですすぎ工程を省略していますが、それはいけません。」とヒューリン氏は言います。「化学物質を使用すると、化学物質が床の隙間の奥まで入り込んで、時間が経つと残留物が蓄積されます。洗剤は汚れを引き寄せるので、床のベタつきの原因になります。」

◆完璧なフロアパッド選び

化学薬品選びに加え、グリーン・クリーニングに適切なパッドやブラシ選びのサポート提供も重要です。

間違った化学薬品の使用、あるいは化学薬品の不使用がフロアケアの妨げになるのと同様に、間違ったパッドやブラシの使用によって、床が傷ついたり、洗浄効果が得られない可能性があります。このため、販売業者はパッドやブラシを選ぶ際には、汚れの種類や床の質を確認する必要があるでしょう。

「パッドやブラシを選ぶ際にはお客様の相談に乗るべきです。」とレティ氏は言います。目地タイルやコンクリートのような荒い素材の場合、パッドよりもブラシが良く、滑らかなVCT床材には、パッドが適しています。レティ氏は、フロアパッドの選定に迷ったら、フロアパッド選定ガイドを参考にするよう勧めています。「フロアパッドは明るい色程やさしく、暗い色程激しく汚れを落とします。」と彼は説明します。

ニュージャージー州にあるATRA Janitorial Supply社のマイク・ライオンズ氏は、日常清掃には白か赤のパッドと中性のクリーナーを勧めています。床の仕上げの表層除去には、茶色のパッドと水を勧めています。この方法は、VCT、テラゾー、木材に適しています。

床清掃とは異なり、スクラブやリコート呼ばれる仕上げ剤の最表層を剥がす作業は、お客様が化学物質を一切使わないで行える作業で、特に学校では毎年床を剥がすことが多いため、化学物質を使用しないメリットは大きいとライオンズ氏は言います。

床を化学的に剥がすのは手間がかかるし、滑りやすいので安全面でも問題があります。また、使用した化学物質をどのように処理するかという問題もあるため、環境にやさしい方法ではありません。」と彼は言います。

化学物質を使用しない剥離作業のコスト削減と持続可能性は、販売業者にとって最大のセールスポイントであり、多目的洗浄機の使用も同様です。お客様には適切なフロアパッドを既存の自動洗浄機に装着して頂きます。

当初、化学物質フリーの剥離剤はなかなか売れなかったとライアン氏は言います。しかし、今ではすっかり定着しています。

「床の一部でデモを行い、どれだけきれいに、簡単に剥がせるかをお客様に見て頂くことで、この方法を広めています。」とライアン氏は言います。「まさに『百聞は一見にしかず』ですね。」

◆全体的なアプローチ

販売業者は、持続可能なフロアケアについてエンドユーザーを教育する上で重要な役割を担っています。「最も重要なことは、『環境に優しい清掃=環境に優しい製品を使うということ』ではない、ということです。」とレティ氏は言います。「洗剤を使わないとか、水しか使わないということではなく、どのような手順を踏んでいるか、望む結果が得られているかが重要です」。確かに、グリーンシール認証を受けた中性洗剤を使うだけでは、床の清掃作業は環境にやさしいとは言えません。

「お客様は製品が『グリーン』であることを、箱を見て確認しています。しかし、希釈倍率が正確でなければ、非生産的であり、グリーン製品の目的を失ってしまいます。」とレティ氏は指摘します。

さらに、機器の種類と使用する水の量も、持続可能な方法でなければなりません。

「グリーンな提案には多くの側面があります。」とレティ氏は言います。「現地調査によって、客様の手順を分析し、清掃プログラムをより生産的にする方法があるかどうかを判断することができます。」細部にまで注意を払い、提案された手順を適切に実行することで、グリーン化は長期的に環境負荷を軽減することができるのです。

 ===引用ここまで===

 

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