B-Future News 2015年2月号

尿汚れとその対応

尿の汚れと言えば、まずトイレを思い浮かべます。しかし、トイレだけの問題ではありません。尿の独特の臭いは誰もが不快に感じます。その処置法とともに、施設担当者との連携も必要であると『SANITARY MAINTENANCE』誌(2014年11月号32~36ページ)の記事は説いています。以下に掲載された記事から一部抜粋して紹介します。

===抜粋ここから===

『しみの状況』

お客様の長期療養施設の一つを見学させてもらっている時、入居者の男性数人が廊下や部屋で立小便をしていることに、イリノイ州ロゼリーにあるJon-Don社でラーニング・ファシリテーター(学習支援の専門家)を務めるビル・イードン氏は気付いた。この光景はここでは珍しいことではないようだ。認知症や失禁を患う高齢者がいるケア施設や長期療養施設業界では、上記のような状況は増える傾向にある。

カーペットから尿のシミを取り除くことは、高齢者の住人がいる住居施設のみが抱えている課題ではない。子供のためのデイケアセンターでは、よちよち歩きの子供たちがトイレを使い忘れることがある。しかし、こういった『アクシデント』が起こった時、子供たちが泣いて知らせるので、ありがたいことに問題に素早く対処することができる。カーペットの尿の汚れを落とす時に、清掃業者にとって最悪な敵になるのは時間だ。もし尿汚れが付いた時にすぐ対処するのなら、簡単な洗剤や臭いの中和剤できれいにできる。もしくは水だけでも大丈夫だ。

しかし尿汚れが放置されてしまったら、カーペットのシミに対処するのはちょっと厄介な問題になってしまう。

適切な製品を選ぶ

清掃業のコンサルタントであるスキップ・シール氏は、非病原菌バクテリアと合成洗剤は尿に効くということを確信している。何年も前、Seal社が清掃商品の会社のために仕事をした時、オクラホマ州のツルサのホテルに連れて行かれたことがある。キャットショーの際、そのホテルで雄の猫が病気になったのだ。

「その臭いはとてもひどく、エレベーターを降りたとたんに臭いがするほどでした。」フロリダ州フォートマイヤーズでSeal360社のCEOを務めるシール氏はそう言う。「臭いを元から断つことで、新しいカーペットに臭いが浸み込むことはありません。」

病原菌ではないバクテリアと合成洗剤製品を温かい水で混ぜ、バクテリアの胞子を「目覚めさせ」、たっぷりの量を部屋のそれぞれのシミに付ける。

「次の日、彼らから電話がありました。唯一せねばならなかったことはカーペットのエクストラクト洗浄だったとのことです。臭いとしみはすべて消えていました。」

シール氏が言うように、過酸化水素の洗浄剤は尿を中性化bfnews_201502_3-sするので、シミにスプレーすれば効果が発揮される。その後、カーペット全体を同じ製品を使ってエクストラクト洗浄することを彼は薦めている。洗剤は膜が張らないフィルムフリータイプのものを選べば残留物が残らない。

シール氏曰く、「カーペット洗浄に過酸化水素が良いもう一つの理由は、今までにカーペットに堆積した様々な洗剤の残留物を中性化できる点にあります。カーペットに付いた尿の臭いを取り除くだけでなく、軟らかく高級な肌触りを取り戻したり、色を鮮やかにしたりすることがもう一つのメリットなのです。」

また、カーペットについた尿汚れを取るための製品を選ぶ際には、施設のその他の場所を洗浄する際にも利用することが出来るか、という点で判断すれば良いとシール氏は言う。もし、過酸化水素由来の製品であれば、トイレのグラウト材をしっかり洗浄したり、洗濯室でベッドのマットを洗浄する前の前処理に使ったりすることも出来る。

「正しい製品をお客様が選べば、他の場所でも使用することが出来ます。」シール氏はそう言う。「尿は有機物です。トイレの有機物であればどうでしょうか?効果があります。キッチンの有機物は?それにも効果があります。」

bfnews_201502_4過酸化水素由来、もしくは『酸素』洗浄製品の利点は、老人ホーム、長期療養施設、デイケアセンター、幼稚園・保育園等に共通する、その他の体液に関わる状況にも効果がある点だ。このような製品は、喘息やその他の呼吸器系の疾患を持つ高齢者や子供が周囲にいる所でも安全に使用できる。

表面の下に届く

シール氏によれば、尿のシミを扱う際、何が匂っているのか清掃作業員が間違えなく判断できるので、処置しやすいと言える。他のシミの場合、何が原因であるのか分からないということがある。

尿のシミが確認されれば、その尿が実際どこにあるのか、たいていは下地床の下か、カーペットのパッドであるが、まずは確かめねばならない。bfnews_201502_2-s

尿はカーペットの表面の下でシミのサイズの2~3倍の大きさに広がっていく傾向にある。そして尿が乾くとアルカリ性になり、湿気を引き寄せる。ゆえに、清掃のプロは湿気を測るメーターを使ってシミの実際のサイズを決めると良い。

IICRC(検査、洗浄・修復認定協会)の認定インストラクターであるクレイグ・ジャスパー氏曰く、「湿気メーターには2つの小さな短針が付いており、尿がどれくらい広がったのか正確に教えてくれます。だからどのエリアを処置すべきかわかるのです。その上を人が歩いた場合、尿は靴の裏の土を集めてしまうのでそのシミは尿だけではなく、油、グリース、汚れも含まれてしまいます。」

ジャスパー氏によれば、過酸化水素の製品をシミに付けて15分ほどそのままにしておく。その後水で洗い流し、表面下をスポット・エクストラクターで吸い取って仕上げる。

シミがエクストラクト洗浄された後、カーペットはまだ濡れているので、清掃作業者は可能であれば、シミの近くにエアムーバーを設置したり、窓を開けたりして乾燥を促進するように努める。かびやうどん粉菌の繁殖を防ぐために、48時間以内に乾燥させるべきであると、米国環境保護庁(EPA)が指摘している。

コミュニケーションをはかる

尿の汚れの処置にはタイミングが重要であるので、清掃担当部は施設のスタッフとコミュニケーションをはかるよう、販売業者が呼びかけるべきだ。スタッフが尿を見たり臭いを感じたりしたら、直ちにそれを清掃担当者に伝えるべきだ。そうすれば、清掃担当者は問題に素早く対応することが出来る。

「そうすることで、清掃作業を行う人に対して、施設管理スタッフ側がこの上ない感謝の念を持つのです。」ジャスパー氏はそう指摘する。

「適切に尿を取り除く方法を学びたい?尿の処理にかかるコストはとても少なくてすみます。施設を素敵に見せてくれて、極端に複雑なトレーニングも必要ありません。」

===抜粋ここまで===

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